医療法人かぶとやま会久留米リハビリテーション病院は、初代柴田元龍正克が1876(明治9)年に当地で医業を開設して2025(令和7)年をもって150年目を迎えることになります。開設後、1951(昭和26)年に結核療養所として医療法人兜山麓療養所が設立されましたが、時代の変遷とともに、1972(昭和47)年には結核療養所が廃止となったため、新たに医療法人かぶとやま病院としてリハビリテーション医療を開始しました。当時はいわゆる温泉型といわれる医療施設でしたが、1997(平成9)年に久留米市のリハビリテーション医療を牽引していく覚悟を持って、医療法人かぶとやま会久留米リハビリテーション病院と名称変更を行い、各専門スタッフの確保と育成に努めてきました。2006(平成18)年には、福岡県からの要請があり法人内に福岡県筑後地区介護予防支援センターを設置、久留米市では「久留米市地域包括支援センター」事業への共同参加が始まりました。2016(平成28)に(財)日本医療機能評価機構認定の付加機能(リハビリテーション機能Ver.3.0)を取得し、その後順次継続更新を行っています。2019(平成31)年からは地域活性とICFの理念に沿ったリハビリテーションを展開するためにHygge Yamamoto構想への取り組みを開始しました。さらに2024年春からはNASVAモデル事業として、交通事故による頚髄損傷患者の一貫したリハビリテーション事業を受託しました。今後、我が国では国策によるさらなる医療再編と自治体ごとの地域包括ケアシステムの深化が予想されますが、私たちはリハビリテーション医療の専門性を活かし、データ偏重の標準化された現代医療「EBM:科学的根拠に基づいた医療」から一歩進んで、個々の自律性を尊重した「NBM:物語と対話に基づいた医療」を目指し、皆さんの尊厳ある人生を応援していきたいと考えています。